医学部時代の話⑥

前回言ったような上っ面だけの臨床講義が4年前半まで続く。4年後半は基礎配属といって、各自で研究室に所属して研究活動を行う。研究室によって内容やしんどさはバラバラで、毎日朝から晩までずっと居なきゃいけない所もあれば、週に1回午前だけ顔を出せばオッケーという所もある。自分は毎日9時5時で行く所だったが、研究内容に全く興味がなく、何をやっていたのか思い出せない。テーマも与えられたが、大して面白くない結果しか出なかった気がする。今は最後にまとめの論文・発表があるのである程度は真面目にやらないといけないらしい。


そして4年の終わりにはCBT・OSCEと言われる関門がある。全国の医学部で色々なカリキュラム・進級基準があるため、病棟実習に出る前に全国基準をもうけようぜという考えで始められたものだ。

CBTとはパソコンで解く5者択一式(2つ選べとか3つ選べもあったかも)のテストである。これまで4年間で学んだ内容が問われるプレ国家試験だ。ただし多数のストック問題から個々人に出題されるので、人によって問題が違う。なので有利不利が出ることもあるだろう。ただ何百問も解くので結局均一化するとされている。(これって、プロスポーツで誤審があった時によく言われる「1試合だけ見ると不公平かもしれないが、シーズン通してだとプラマイゼロだよ。」という理論に少し似ている。)

そしてOSCEは患者さん役の役者さん(?)に問診や診察をする、お医者さんごっこの発展系みたいな試験だ。これは12月頃から対策の授業がある。問診、体の様々な部位の診察、縫合など。

 

しかしこれらにも裏話がある。まずCBT。全国基準をもうけようとう考えで始まった癖に学校毎で合格基準が違う。ウチの大学は55%くらいで通っているという噂だったが、厳しい所では70%とかあったらしい。当時堕落しまくっていた私には高いハードルだ。(普通にやってた人からしたら鼻で笑うだろうが)余談だがウチの大学は例年2~3人しか落ちない。更に余談だが試験は図書館のパソコンで行われていた。つまり追試の際は2~3人の為に図書館のパソコンコーナーが貸し切りになっていたのだ。そして全員合格。

今は追試は全国共通会場になったらしい。また、そもそもの合格基準も全国統一になったらしいのであまり怠けると留年する。

 

学校毎で合格基準が違うなんて不公平!と思うかもしれないが、OSCEはもっと不公平だ。試験問題の漏洩を防ぐ為に早めに終わった人達もずっと拘束されるので問題は共通だ。(どこかの大学で出席番号前半の人が漏洩して騒ぎになっていたっけ) しかし採点する側の裁量に任させられる面が大きい。筆記試験と違いやむを得ない面もあるにしろ、学年全体で8人くらいしか落ちていないのに50番台の人が4人も落ちるのはおかしいだろう・・。普段の試験でもそんなに落ちない人達だぞ・・。しかし再試に行っても心配ご無用。再試という名目で「この場面はこういう風にしましょうね~」という補講だったらしい。もちろん、全員合格。こっちも現在は公平になっているらしいが・・。