医学部時代の話②

医学部に入って、最初の1年(学校によっては2年)は教養課程だ。他の学部と共通の授業だ。多くの医学部生にとって、大学生らしい生活を送れる唯一の期間だ。2年以降は(一部の例外はあるが)医学部だけのこじんまりしたキャンパスで、全ての授業が必修で、毎日同じメンツで授業を受けることになるからだ。教養の間はある程度の選択肢が与えられ、授業によって顔ぶれも変わる。

 

科目としては統計・英語・第二外国語・化学・物理・生物・人文系の選択科目・医学序説といったところ。化学・物理・生物は講義とは全く別科目の実験もある。

 

先ほど選択肢があると言ったが、何故か自分が入学した年から選択肢が急に縮まった。本当に何故?第二外国語はドイツ語かフランス語かに決められた。生物・化学・物理は予め決められたものしかダメだった。同じ講座名で他の曜日・時間帯に開講しているものでもダメとされた。が、それにも例外はあった。生物の教授で一人偏屈者が居て、何を言っているか分からない小声で授業をする癖に、異常に採点が厳しい男だった。理学部でも評判が悪かったらしいのだが、医学部生は何故かソイツの授業を受けなければいけなくなったのだ。(前年までは同じ講座名ならどれでも受けても良いとされていたのに!) 私は何とか追試で通ったが、年々合格基準が厳しくなり4つほど下の学年では25人程度が単留させられそうになった。医学部側の奔走で全員がレポートで進級できた。しかし彼には不本意な結果だったようだ。次の年も単位保留は25人というのは一緒だったが「この4人はレポート出してもダメ!」というラインを作り4人が単留していった。そのような事があってから、彼の授業を受けるのは決まりだから仕方ないが、保険で同じ講座名の授業も選択する者が続出したのだ。結果、彼の授業を落としても進級できるようになった。こんなことになるなら、以前のようにどの授業でも選択できるようにしとけば良かったのにと思うが、大学側の考えていることは分からない・・。

 

しかし件の生物教授にも言い分はあるだろう。医学部生がいかに不真面目か、全学キャンパスで評判が悪いのか。次回はその話を。