2019-01-01から1年間の記事一覧

医学部時代の話⑧

5年生の実習が終わると、6年生前期の実習。5年生はみんな同じカリキュラムだが、6年生は各人の希望に応じて、行く先はバラバラだ。内科系、外科系、マイナーで一個ずつ、その内二つは学外で行う事になっている。以前は希望がかち合った場合、学生間で話し合…

医学部時代の話⑦

5年生になるといよいよ病棟実習だ。5~6人が一班になり、2週間単位で各科を回る。大学や時代によって組み合わせ方はバラバラで、機械的に名簿順だったり、成績順で各班満遍なく同じレベルにしたり、学生同士で好きな者同士で決めさせる所もある。(学生同士で…

医学部時代の話⑥

前回言ったような上っ面だけの臨床講義が4年前半まで続く。4年後半は基礎配属といって、各自で研究室に所属して研究活動を行う。研究室によって内容やしんどさはバラバラで、毎日朝から晩までずっと居なきゃいけない所もあれば、週に1回午前だけ顔を出せばオ…

医学部時代の話⑤

3年生になると、ウイルス学・細菌学・微生物学・免疫学・病理学・公衆衛生学・薬理学と2年生に比べると病気に直結する教科が増えてくる。病理学は2年で習った組織学を基に、病気になった時の細胞の構造をスケッチする。免疫学は身体の防御機能を勉強する。薬…

医学部時代の話④

2年生からはいよいよ医学部キャンパスに移り、専門教育が始まる。 いわゆる基礎医学からスタートする。病気のことを勉強する前に、正常の人体構造を理解することから始まる。・・・が、これが結構しんどい。教養で楽をしてたし、覚えるべき用語が多すぎるし…

医学部時代の話③

医学部の学生は教養課程では全くやる気がない。(例外もいるが)めんどくさい受験勉強が終わり、医学とは全く関係ない講義が始まる。やる気でないのも仕方ないと言えばそうだが、限度がある。唯一医学と関係あったのが医学序説という講義。1週間に1回、医学部…

医学部時代の話②

医学部に入って、最初の1年(学校によっては2年)は教養課程だ。他の学部と共通の授業だ。多くの医学部生にとって、大学生らしい生活を送れる唯一の期間だ。2年以降は(一部の例外はあるが)医学部だけのこじんまりしたキャンパスで、全ての授業が必修で、毎日同…

医学部時代の話①

メチャクチャ間隔が開いてしまった・・・。普段、臨床場面で抱えているモヤモヤをひとまず吐き出すことが出来たからだろうか。 あまり放置していると、もう書かないような気がしたので、上記題名で記事を書こうと思う。ただし自分が学生の時の話だから、現在…

医者だからと言って2

前回は医者だからといって、いつも堅い話をするわけじゃないという話をした。しかし、どの世界にも小難しく話すことが好きな人というのはいる。 特に多いのが必要以上に英語・外来語を使いたがる人達である。カルテに「家族と面談を行い、病状の説明を行い、…

医者だからと言って

世間では医者はエリート、頭の良い職業だと思われてる。妻は私と付き合い始めた時、伯母からこう言われたそうだ。「◯◯ちゃん、凄いわね〜。お医者さんと付き合いなんて。話は合うの?難しい話が多いんじゃない?」なかなかどうして、普段の私はふざけた会話…

先生と呼ばれる事

以前にも書いたが、自分は先生と呼ばれる事が苦手だ。もっと言えば、患者さんや家族・コメディカルに呼ばれる事は我慢できるが、医者同士呼び合うのは嫌だ。何様だと感じて、メチャクチャ痛い奴みたいな気がする。確かに便利な言葉だと思う。中堅以降になる…

本質を見抜くって・・

一連の吉本騒動。社長の会見から、パワハラや給与の問題で様々な意見が飛び交っている。そんな中、「論点がズレてる」「この問題の本質は違うだろ」という声がネット上で出てきた。自分も同感だ。そうそうパワハラ発言や給与の問題より大事なことがあるぞあ…

精神科医だからといって・・・

精神科医に限らず、医者あるあるなのが「身近な人からの相談」だと思う。身内・知り合いに医者が居るから聞いたらいいじゃんくらいの軽いノリが多い。しかし医者の殆どは面倒くさいと思うのではないか。何故なら実際に診察できる事は少なく、電話だったり間接…

適切な距離感3

前回の続き。適切な距離感が取れない医者というのは他にも居る。 自分自身、患者さんや家族に何かを提案した場合、やはり聞き入れて欲しい。そうした方が一番プラスになると思う提案をしてるからだ。ただそれを無理強いはしない。人の価値観は人ぞれぞれ。何…

適切な距離感2

前回書いた通り、患者さん・家族との適切な距離感を取ることは難しい。自分自身も何度か失敗して学習していった面もある。ただそんな自分から見ても、「これはあかんやろ~」と言いたくなる医者は居る。 一人目の医者をAさんとしよう。(話は逸れるが、医者同士…

適切な距離感

患者に寄り添うように心がける。原則としては正しい。しかし、どんな場合もそれで片付くと思っているのは違う。人格障害、知的障害、発達障害などでは枠組みを決めなければいけない。不安障害(とりわけ、身体症状の訴えが多い人)の患者さん相手に症状をずっ…

精神科医をしている理由

どうして医者になったのか?どうして◯◯科を選んだのか?医者をしていると、何百回、何千回もされる質問である。本当に人それぞれだと思う。世の中の為になりたい、親が医者だった、自分が過去その科の病気に罹った事があるなどなど。自分自身はと言うと、や…

はじめまして

「◯◯さん、将来文章を書く仕事を頼まれるよ。それは断らない方が良いよ。」数ヶ月前、ある占い師の所に行くとこう言われた。医者のくせに占いを信じるのかと言われそうだが、世の中には勘の良い人、悪い人というのは居ると思う。また、危機一髪で助かった経…