医学部時代の話⑨

 卒業試験が終わると本格的に国家試験の勉強を始める。自分で問題集を解いたり、国家試験予備校のビデオ講座を見たりする。ビデオ講座だが、現役生は団体割引もあり安価で見ることができるが、浪人すると授業を受けに行くのもビデオ講座を受けるのも一気に高くなる。(医者になったら返すローンなども組めるらしいが・・。結局通らなかったらどうなるんだろうか。) 自分達の頃はメック(こうしろう)とテコム(三苫)の二強だった。メックは受験テクニック、テコムは本質的理解に重点を置いていた気がする。

 大体はグループで勉強会などを行って進捗具合を確認するが、他人とあまり絡みたく無い自分は一人でやっていた。


 合格基準は4つあり、①一般問題の合格基準点を超える②臨床問題の合格基準を超える③必修問題を8割取る④禁忌選択肢を3つ(4つだったかも)以上選ばない。

③の必修問題が曲者で、1点問題と3点問題があり、200点中160点を取らないといけない。40点しか落とせないが、3点問題を連続して落とすと結構苦しくなる。

④の禁忌選択肢は選んだら絶対ダメという選択肢。患者の命に関わるとか、倫理的に問題あるとか。しかし基準がよく分からず、明らかに禁忌だろという禁忌選択肢を踏んでもカウントしてなかったり、その逆があったり。どれが禁忌だったか公表されていない。大抵は①〜③のどれかで不合格となっている人なので大して問題にならんが、稀に禁忌単独落ちの人も居てそういう人は納得いかんだろうな〜とは思う。


自分は何とかギリギリで合格し堂々と卒業式に出ることができたが、落ちた人達は気まずそうだった。あと一問間違えてたら自分も同じ立場だったかと思うと、色々考えてしまった。