精神科医だからといって・・・

精神科医に限らず、医者あるあるなのが「身近な人からの相談」だと思う。身内・知り合いに医者が居るから聞いたらいいじゃんくらいの軽いノリが多い。しかし医者の殆どは面倒くさいと思うのではないか。何故なら実際に診察できる事は少なく、電話だったり間接的な知り合いだったりすることが多いからだ。「実際に診察したわけじゃないけど~」「どっちかは分からないけど~」などと言い訳しながら自分の考えを述べるが、正直そんなに大した事は言っていない。それをもっともらしく言っているだけだ。

 

自分自身、リエゾンで一般病院に行くことがある。色々な相談事を受けるが、患者さんの多訴や過大要求などの相談もちょくちょくある。精神科疾患なのか、性格なのか、それとも入院環境によるものなのか判別に困ることも多い。一応診察はするがたかだか10分程度話してるだけじゃあ、大した事は分からない。いつも接している病棟の看護師の方がよっぽど真実に近づいていると思う。それなのに、自分の薄っぺらい推論に「さすが精神科の先生」とか言われると背中がむず痒くなる。

 

精神科通院している人が重大事件を起こす。そのような時に性格分析を頼まれている精神科医が居る。あーいうのを見ると、内心でどう思っているのだろうと考える。実際に会ったわけでも、通院していた医療機関のカルテを読んだ訳では無い状態だ。大部分の精神科医は自分が大した事を言っていないという自覚があって、それで持ち上げられると背中がむず痒くなっているのではないかと思う。某有名人形の名前を名乗っている方とかは、本当に自信満々で言ってそうだけど。