医学部時代の話⑦

 5年生になるといよいよ病棟実習だ。5~6人が一班になり、2週間単位で各科を回る。大学や時代によって組み合わせ方はバラバラで、機械的に名簿順だったり、成績順で各班満遍なく同じレベルにしたり、学生同士で好きな者同士で決めさせる所もある。(学生同士で決めさせるって、かなりリスクあると思うが・・。) ウチの大学は成績順であったが、女子とか留年経験者を各班1~2人までにするとか、過去の実習でイザコザがあった者同士を離すとかで微調整があった。

 

 実習内容は科によってバラバラだった。外来・検査・手術の見学、ミニ講義、他病院・開業医・施設への見学、教授回診やカンファでの発表、レポート提出、最後に教授もしくは准教授のまとめなどは共通だった。しかし科によって熱意は様々で、全く拘束しない科では2週間で拘束時間10時間とかもあった。やる気ある科でも19時頃には帰れたのでウチの大学は緩い方だと思う。教える方も患者さんを見る片手間に学生を教える訳で、忙しくて全く相手に出来なったり、端からその気が無い人も多く居た。反面、もの凄く教育する気満々の人も居た。今、研修医が来ても、(精神科志望で無ければ)ユルユルの指導しかしない自分からすると頭が下がる。

 

 ちなみに白い巨塔でやっているような教授回診は未だにある。ゾロゾロ大名行列をしている。ちなみに私が大学病院が行かなかった理由の大部分を占める。科の責任者が全ての患者さんの情報をざっくりでも入れていくのは有りと思うが、あんな行列居るんかいなと思う。カンファ室で順番にプレゼンして終わり、判断に迷う患者さんだけ診察でええんちゃうの?

 

 病棟実習で何より大切なのは一部教授の地雷を踏まないことだ。怒らせると面倒くさいタイプのね。ウチの大学にも数人居て、その教授の質問への対策集なども作られていた。

 

そんなこんなで6年の前期まで実習は続く。


あと、実習以外には金曜の午後だけ講義がある。1年生の時の医学序説みたいに、各科の教授が順番に来て講義をする。以前は出席さえしていれば単位が取れたけど、今はテストが存在する。出席のみで良かった時代、出席せず学務に呼びつけられた学生が「テストがないんなら、講義に出るモチベが保てないですよ。」と宣ったらしく、以後はテストを行うようになった。前述の通り、臨床の先生は忙しいし、こっちもテスト勉強は怠いしで、誰得な制度改革だっあ。