先生と呼ばれる事

以前にも書いたが、自分は先生と呼ばれる事が苦手だ。もっと言えば、患者さんや家族・コメディカルに呼ばれる事は我慢できるが、医者同士呼び合うのは嫌だ。何様だと感じて、メチャクチャ痛い奴みたいな気がする。


確かに便利な言葉だと思う。中堅以降になると、医者歴や年齢がお互い分からないこともあるだろう。 年は1個上だが、医者歴は1個下とかも普通にあり得る。その上、転科とかも絡むとややこしくなる。そのような場合に先生と呼び合うのは無難というのは分かる。こういう使い方なら仕方ない。しかし同期や明らかな後輩に使うのには抵抗があるのだ。


自分自身、研修医になりたての頃に上級医から「◯◯先生」と呼ばれた時はこっ恥ずかしいを通り越して、何故か怒りを感じた。そう呼んどけばいいんだろという若干バカにされた気がしたからだ。今考えると、そう呼ぶ事で医師としての自覚をとか考えていたのかもしれない。でも自分としては君付けや呼び捨てで呼ばれた方がよっぽど良かった。


より酷いケースもある。ウチの父親は非医師だが、高校の同窓会で集まった時に医者になった者同士で先生と呼び合っていたらしい。医者になる前からの人間関係があり、なおかつ非医師の人間も大勢いる中でそんな事を言う神経が分からない。何か嫌らしいし、特権階級にでもなったつもりかと。自分自身の戒めになる話だった。


しかし、ここまで書いて思ったが、そんな事を気にしてグチグチグチグチ言ってる自分の方がよっぽど嫌らしいし、先生という言葉に必要以上に重みを感じているのかもしれない。そして近い後輩には100%呼び捨てや君付けだったが、離れた後輩には時折先生と呼んでいる事にも気づき自己嫌悪。